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もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

お葬式の思い出という話

こんにちは、hanadekameganetです。


たまたまだとは思うのですが、ここ最近お葬式の話題が身の回りで続きました。


職場の方だったり、仕事上の付き合いのある方だったり。


親族も一昨年から去年は続いたこともあり、


お葬式が一回あると、大抵「続くときは続くね」という言葉が誰かから一回は出るものです。


で、そういうとき思い出すのが父親のことです。



お葬式って、決していいことばかりが思い出になる場ではないですよね。


だって大切な人や仲の良かった人とのお別れの場なわけですし。


なんですけど、どういうわけだか親族関係のここ最近のお葬式の思い出って、半分くらい自分の父親の行動の記憶に持って行かれてるところがあるんです。


まず、一昨年母方の祖母がなくなったときのことなんですが


夏場に亡くなったので、通夜が暑い日だったことを覚えています。


僕ら家族が式場に向かう前に実家に寄って挨拶をしにいくと、


喪主としてなんやかんやと手配をしていたばたばたしているらしく、何かと両親がもめています。


特に父親が「アレどうした!?」といつになく鬼気迫る表情で気にしているので


「なんのことだろう」と思っていたのですが


式場に着くなりドヤ顔で「冷たく冷やしといたのを用意しておいたから、後で飲んでいいよ!夏場だから栄養補給しておかないと危ないから」と言ってきまして


何のことかと思いきや、クーラーバッグの中に大量の「エスカップ」が入ってまして、どうもそれを飲めと言っているらしいことがわかりました。


先ほどの「アレどうした!?」のアレはエスカップのことだったわけです。


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なぜ。お葬式の場でキンキンに冷やしたエスカップちゃんと持ってきたかどうかとか、確認事項の優先順位としては最下位じゃない?って感じなんですけども


父親としては自分の最優先ミッションは人数分の冷たいエスカップを手配することであったらしく、式場で親族全員に「エスカップ用意してるから!飲んで!」と声をかけていました。しめやかな場でエネルギッシュに行われる栄養補給。泣いてるどころか元気になりそうです。なんで喪に服すっていうときにタウリン摂取するのかと。というか、最終的に大量にエスカップ余ってた。


また、父親は自分の母親。僕の父方の祖母が亡くなったときにも奇妙な行動を起こしていました。


大学時代はマジック研究会に所属。


現在も週一でカラオケ教室に数年来通っている将来のエンターテイナー気質がそうさせるのか


喪主として最終的に出棺前の一言を話す場が自分の一世一代の見せ場であるとでも勘違いしたのか


手短に話を済ませて来場者にお礼を述べるべきところ


どういうわけだか長々と「私は、母からは芸事を学び…」みたいな、あなたは靴屋の息子だろ!と言いたくなるような謎の思い出話をした挙句


最後には「おふくろ!ありがとう!」と言ってなぜか両手を大きく天に振り上げ、バンザイみたいなポーズをして静止しました。


「おふくろ!」という声があまりに大きすぎて、その場でとりあえず神妙に聞いていた来場者たち全員の方がいっせいにビクッと動いたことを覚えています。


もちろん、バンザイ後にも拍手をするわけにもいかず、全員が黙った状態のまま父親が静かに手を下ろす様子を見て


これが我が家のSEKAI NO OWARIだなと思ったことを覚えています。


僕の目の前にいた3歳年上の姉の肩が細かく震えていたので、おや泣いてるのかなと思ったら笑いを必死にこらえていただけだったので、やはりOWARIだなと思った次第です。


しかも満足気な父親がこれで終わりだという感じにしていたのに、それまでじっと黙っていた祖父が息子には負けてられないと思ったのか急に「今日は私の妻の為に皆さまお忙しいところお集まりいただき…」とおそらくプログラム上はなかったであろう「喪主からの挨拶 2」みたいなのを語り始め、実際の喪主である父の面目丸つぶれ。


さすがに祖父はそれなりに深みのある内容を涙まじりに話していたので余計に父親の挨拶の謎ぶりが浮き彫りとなりました。


そんな祖父も去年この世を去り、やってきたのが父親による二度目の喪主挨拶です。


僕らとしてはすでに一度経験済みですので、何が起きるのかなんとなく予想はしていましたが、案の定ぶちかましてきました。


緊張した面持ちで話し始め、さすがに反省したのかそれなりにまともなことを言って終えるのかな、と思っていたら最後の最後に


「親父、ありがとう!」


と絶叫。あんた、どうしてもそれやりたいのか。


おまけにまさかと思ったのですが、その頃一番話題になっていた「五郎丸ポーズ」をなぜか「ありがとう!」に合わせてやりやがったのです。


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これには式場中が度肝を抜かれました。


お葬式の場で、喪主が、出棺前に五郎丸。


時が止まり、息も止まり、来場者全員が固唾を飲んで見守る父親の五郎丸ポーズ。


一瞬とも永遠とも取れる静寂の中、父親が五郎丸ポーズを解除すると


僕の前にいた姉が肩を小刻みに震わしていたので、おや泣いているのかなと思ったらただ笑いをこらえてるだけで、こらえてるっていうかもう半分くらい笑っちゃってたので、ああ、僕の感覚は間違ってなかったと思った次第です。


今でもそのときの話を妻とするとき、妻には「悪夢でも見てるのかと思った」と言われます。確かに。