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もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

臆病者は電車内でスマホを見ない

電車の中で、スマホに内蔵されたカメラの「カシャッ」というシャッター音が聞こえることが増えたように思う。

パッと周りを見渡してみるが、あんまりみんな気にしていない。
というか、みんなスマホを見ているので誰のスマホからその音がしたのかが、そもそもわからない。

僕は電車の中でスマホをほとんど見ない。
画面を電車の中でずっと見ていると気持ち悪くなってしまうのと、
だいたい見たい情報が暗い内容かエロい内容かのどっちかなので、電車の中で堂々と見れるものがないのだ。
人間性を疑われたくないのだ。

なので余計に
「この車内でスマホを見ていない俺だけが犯人にたどり着ける…」
みたいな気持ちになる。


音はすれども姿は見えず。
そんな完全犯罪みたいなことがよく起こる。

あれは一体なんなんだろう、と思っていた。
電車内でシャッターの音がしたらほぼ盗撮、と考えてしまうのは僕の思考が逆にそんなことばっかり考えているからだろうか。

でも、やっぱり気になる。

とくに女性はもっと気になるのではないか、と勝手に思っているが、意外と写真を撮っているのが女性だったりすることもあって、なんとも言えない。

最近シャッターの音がするのが、スクリーンショットを撮っているからだということに気がついた。
僕の隣に座っていた女性のスマホでカシャっという音がしたので、思わず見て見たらスマホの画面にZOZOTOWNの文字があった。
盗撮じゃなかった。
というかむしろ、人のスマホを覗き見してしまった僕の方が盗撮まがいのことをしてしまった。

僕なんかは小心者というか臆病者というか、基本的に誰かに怒られると思って生きているので
仮にスクリーンショットをした際に大きめな音でシャッター音がしたら
「周りからこいつは盗撮していると思われたのでは‥」
という気持ちでいっぱいになって耐えられない。

その思いをするのが嫌だから、そもそも公共の場でスマホを見たくない。臆病ゆえのノースマホ

優先席付近でも手にしたくない。
というのも、僕は音楽を聴いているだけで優先席の近くにいるときに、いきなりおじいさんに体を小突かれて
ステッカーを見ろ!みたいなジェスチャーをされたからだ。

そのときは頭を下げてイヤホンを外したが、あとから考えたらなんで注意されたのだろうと思う。

音楽を聴いていけないわけでもないし、
しゃかしゃか音をうるさいといわれることすら僕の臆病リスクには入っているので、下手したら車内の音より音楽の方が小さいんじゃないかくらいの音でいつも音楽を聴いている。
絶対あのおじいさんにとって音が漏れていたというわけではないと思うので、それで注意されたわけでもない。
ただ単純に、おじいさんは僕が優先席の近くで音楽を聴いていることが嫌だったのだろう。

それ以来、優先席付近には基本近づかないし、万が一近くに乗る際には音楽も聞かない。

ちょっと前に比べると電車内のスマホルールというのはだいぶ寛容になった気がする。
シャッター音もしょっちゅう聞こえるので、どうせ誰かがスクリーンショットを撮っているんだろう、という感じでみんな顔さえ上げない。
その中の1割くらいは本当に盗撮かもしれない。

優先席でおじいさんやおばあさんが、自らスマホをいじっている風景も、珍しいものではなくなった。
車内のアナウンスも優先席以外の場所では通話を控えるように、という程度のやわらかい表現のものに変わった。
時代が変われば道具との付き合い方やルールの考え方も変わっていくのは当然のことだが、
「近くの人のスマホを覗き見てはいけない」
というルールはどこにもない。

だから僕は今日も、文庫本を広げて電車に乗っている。
なんなら本を読んでいる自分を見てくれ、くらいに思っているのだが、電車の中の人々は手元のスマホに夢中で、僕のことを見ている人など一人もいなかった。

そして、今日もどこからかシャッター音が響いた。