もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

いのおくん

妻がいのおくんにハマっている。

Hey!Say!JUMPの伊野尾慧くんである。
ひらがなで「いのおくん」と書くと昔ゲームであった「くにおくん」みたいだな、と今気がついた。
あと「どおくまん」みたいだなとも思った。どおくまんってなんだっけ、とググったら漫画家だった。

とにかくハマっている。

きっかけはささいなことだった。

自宅で妻と何気無い雑談をしている際に、机の横に見慣れない雑誌があったのだ。
あまり妻の普段の趣味からは読まなさそうな若い女性向けのファッション誌だったと思う。
「珍しいね、こういう雑誌読むの」
と何気なく口にすると、何やら一瞬の間が空いた。
雑誌を手に取ろうとすると、その後ろにも何冊か雑誌があることに気がついた。
ん?と思って何気なく見てみると、誌名もばらばらである。
「最近雑誌よく読んでるんだね」
という話をすると、妻は「実は‥」と何やら重大な秘密でも打ち明けるかのように最近Hey!Say!JUMPの伊野尾慧くんに
ハマっているのだと明かしてくれた。それが数ヶ月前の出来事である。

その瞬間、僕の中でここ最近謎だったいくつかの出来事が腑に落ちた。

なぜ急に「そして誰もいなくなった」というドラマを録画し始めたのか。
ハードディスクに「めざましテレビ」や「メレンゲの気持ち」が保存されているのか。
アマゾンでやたらと妻宛の荷物が届くようになったのか。
見慣れないファッション誌が本棚に並ぶようになったのか。
そして、なぜ妻の髪型が明るい茶色のゆるいパーマがかかったマッシュヘアになったのか。
彼女は伊野尾くんの髪型を真似ていたのである。実際美容院に彼の写真を持って行ったそうだ。

サインは無数に出ていたのである。
妻の変化に気がつかなった自分を恥じた。風呂から出た直後に微かに残る香りから「残ってたパンを食べただろ」と妻に言い当て、
「名探偵」と言われていた頃の僕の嗅覚はすっかり失われていたようだ。

何度かブログにも書いているが、妻は好きになると集中して好きになるので、あっという間に対象を掘り下げていく。
過去にはまってきたものにサッカー、お笑い、嵐(ジャニーズの)、大仏、手芸などがあげられる。
どれも一定期間の間集中的にぐわっと入れ込み、その後嵐が過ぎ去ったように穏やかな毎日が訪れる。

今回も同様である。
もう隠さなくてよい、とわかった妻は堰を切ったように伊野尾くんについて語り始めた。
いかに伊野尾くんがかっこいいか、かわいいか、どんなところがよいのか、なぜ自分は気になり始めたのか。
そんなことを唐突に語られてもこちらも「ちょ、ちょ、ちょ」という感じだったが、こういうときの妻は語らせるに限るのでとりあえず聞いた。

伊野尾くんは実は大学で建築学を専攻していたのだとか
大泉洋のファンなので適当な発言をするのだとか
普通に生きていたら絶対に知ることのなかった情報がどんどん入ってくる。
机の隙間から巨大な伊野尾くんうちわが出てきたときにはさすがにびっくりしたが。メルカリで買ったらしい。

そこまで語られるとこちらまで気になるもので、ここ最近は僕も伊野尾くんをテレビで追う毎日である。
確かにレギュラーをたくさん抱えており、いかにも今押されているという雰囲気である。
それはすでにもちろん人気なのだけど、「ブレイク前夜!」というわくわく感も感じさせるところもあり、見ていて素直に楽しい。
こういう「次はこの人がくるぞ!」という感じの人を応援しているのはファンの側も楽しいだろうなと思う。
誤解を恐れずにいうと、すでに大人気でみんな知っている、の一歩手前にいる人というところだろうか。
どんどん露出が増えてきて、人に知られていく過程を一緒に共有できるところの楽しみはおおいに共感できた。

そんなわけで最近は妻と一緒に新曲のPVのメイキングを見たりして
ダンスのフォーメーション、センターに来てますな」
「押されてますな」
という会話をしたり
娘も娘でテレビで伊野尾くんが映ると
「あ!いのーくんだよ!」
と教えてくれるようになったりと、完全に妻に洗脳されている様子です。