もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

七五三

先月から今月にかけて、私にしては珍しくイベントごとが続いた。

家族旅行、祖父の三回忌、息子の運動会、ロックバンドのライブにまで行った。
そして今日が最後の大きなイベントとなる娘と息子の七五三だった。

今まで全てギリギリでなんとか当日はいい天気になっていたにもかかわらず、最後の最後であいにくの雨。

昨日の時点で今日はくもりで耐えられるかも、という予報もあっただけに残念だった。


朝からまずは写真撮影。

お店は8月くらいに実は予約していたのだが、今日行ってみるとさすがに七五三のハイシーズンにこれから入る時期だからか、
本降りの雨の中、店内は混んでおり、私たち以外に同時進行で5組くらいは動いているようだった。

もちろんお店の人たちはせわしなく動き回っており、大変なのはわかるが、あまり余裕がないようで接客時もややつっけんどんに感じられた。
気持ちはわかるが、写真撮影の時って子供はそういうのすぐ感じ取って態度とか表情に出ちゃうから、あんまり緊張させないでほしいなーと思っていたら
案の定3歳の娘は撮影に移るとかちんこちんで表情は硬いまま。

カメラマンの男性はさすがに柔和な表情で終始頑張ってくれたおかげで、散々撮影したあとの最後の方でようやく笑顔になってくれたのだが、
申し訳ないことに我々が欲しかったパターンは最初の方で撮影していたので、後半の空気がほぐれてきたあとのカットはほとんど購入しなかった。
カメラマンさんには感謝しているが、申し訳ないことをした。

撮影した写真の選択はかなりてきぱきとやったつもりだったが、それでもトータルで2時間はかかり、
ぐったりしたものの衣装をレンタルしてそのままもう一踏ん張りという感じで近所の神社へ向かう。

雨なので移動は車。
この時点でこどもの集中力もかなり落ちており、撮影の緊張から解放されてリラックスはし始めたものの、今度は衣装がきつい、痛いと言い出す。
もう少しだけ我慢して、とお願いし、雨の中車で神社へ向かう。

すると写真館で同じタイミングで撮影していた人たちが何組か神社におり、やっぱり〜という感じ。
まあ、確かにこういうコースになるだろうという感じである。

祈祷の申し込みをし、控室で15分ほど待っていると呼ばれる。
全部で5組くらいだっただろうか。私としてはよくまあこの雨の日に、と思ったがよくよく考えてみれば大体の家族は写真撮影の日にちに
そのまま済ませたいだろうし、写真撮影の日程を決めた時にはこんなにこの日が雨になるとは思っていなかっただろうからあまり関係ないことであった。
だが、他にきていた家族の会話を盗み聞きしている分には今日はかなり人が少ないらしい。少し前に七五三の祈祷をしたその人の知り合いは同じ神社でやったものの、そのときは希望者が多くて申し込みに列をなしており、次の回へと回されてしまったというのだ。
寒いし雨だし最悪だったな、という気持ちになっていたのだが、それを聞いて、まあそれなら空いててラッキーか、と思い直す。

毎回そうなんだけど、こういう祈祷をしてもらうと書いた住所を祈祷してくれる人がマンション名とか部屋番号までしっかりあの節回しで言うので、ちょっと面白い。ところが、今回は5組いる中で部屋番号呼ばれる人がうちだけで他の人は一軒家なのか、とちょっと寂しかった。

祈祷の途中でそれまでおとなしくしていた息子がさすがに疲れてきたのか
「パパ、パパ」
と呼びかけてきて
「いつ始まるの?」
と聞いてきたので
「ずっと始まってるよ!」
と思わずつっこんでしまった。
そてにしてもほんの少し前まで、写真の撮影やこうした神社での静かにしないといけない場で最初から最後までおとなしくすることなど夢のまた夢、という感じだったのに、今日は「頭をおさげください」と巫女さんに言われれば素直にぺこんと頭を下げ、「おなおりください」と言われればすっと顔をもとに戻している息子と娘を見ていて、言葉の意味までは完全に理解していないまでも、周りを見たり、空気を読んでいるのか、そういうところができるようになったんだな、というのが一番感慨深いところだったように思う。

最後の最後で御神酒をもらい、口をつけた瞬間「車だった!」と思って上唇についた分だけ舐めてお皿を戻した。あぶないところだった。

外に出たら晴れてたらいいなあ、なんて思って出たらさっきより強くなってるんじゃないかってくらいまだまだ降っていて、仕方がないので屋根のあるところの下でみんなで写真を撮った。ジジババを連れた一人娘と思われる女の子の大世帯家族がとにかく写真を撮りまくっていて、我々が車に乗って駐車場から出るときにも、神社の外で車道にはみ出しながら写真を撮っていた。気持ちはわからないでもないが、あまりにも写真を撮りまくっていたので
「どんだけ写真撮るんだよ」
と私が突っ込むと、妻が隣で「必死か」と突っ込んだ。

家に帰るとこどもが案の定疲れたと騒ぎ出したのでぎりぎり間に合ったーという感じでこちらもどっと疲れが出た。
着なれない和服で写真撮影から祈祷までよくがんばってくれたので、えらかったねーと素直に褒める。
その時点でもう2時を過ぎていた。
お腹がすいていたが、雨の中また外に出る気もしないので、子供にラーメンをゆで、私はそうめんを茹でて食べた。