もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

娘の彼女感

娘は朝僕を起こしにくる。

 

「もう朝だよー」

「いつまで寝てるの?」

「もーしょーがないなー」

 

と言って僕の傍に滑り込んでくる。

「寒いからあったまろーっと」

 

と言いながらすり寄ってくるので、僕は腕を娘の方へ伸ばす。

 

まるで最初からそうするものだとわかっているかのように、小さな頭を僕の右腕の上へ乗せてくる。

 

僕は天パ気味のくるくるした娘の髪の毛が目やら鼻やらに当たってくすぐったい。

くんくんにおいを嗅いでみると、頭を洗うのが嫌いな娘はちゃんと髪の毛が洗えていないからか、すこしくさい。

 

だけど、ちっとも嫌なにおいではなくて、少し甘い、わたあめのようなにおいがする。

 

僕は寝ぼけながら娘の頭のにおいをくんくんと嗅ぐ。

すると娘がくすぐったそうに「においかがないでよー」と言って体をよじらせる。

そうしてそのまま「早く起きなよー」と言って、すっと毛布から抜け出ると、リビングへと駆け出してしまう。

 

寝室には寝ぼけた僕が残される。

 

そのうち、こんなこと彼氏にするようになるんだろうけど、今は僕が彼氏なので、ひとりじめしている。