もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

とりとめもないこと

■通勤途中、会社近くのスタバの前で、身体の前にリュックを抱えてじっとしているおじさんが必ずいることに気がついた。

最初は待ち合わせしてるのかなと思っていたけど、なんか不思議。

白髪で眼鏡をかけている、元文化系の香りが漂う親近感の湧くおじさんだけに、もしかしてあれは未来の俺で、俺にだけ見えているのでは…?未来から俺に何か伝えるために現れているのでは…と思うくらい通勤ラッシュの雑踏の中でおじさんの周りの空気だけがしんとしている。

月曜出勤したとき、通りすがりに「よくわかったね」とか言われたらどうしよう。こわい話で横断歩道ですれ違いざまに「よくわかったな」って幽霊に凄まれた話思い出しちゃった。こわい。寝よ。

 

■健康診断で始めて引っかかった。

びっくりした。封筒から診断結果出して、いつも項目が全部Aなので、「まあ読む必要ないけど〜」くらいのテンションで読んでたら「要精密検査」ってなってた。

もうだって自分の結果?って数分表裏ひっくり返しましたよ。これ、悪い結果の場合の見本の紙?って。

「要経過観察」とか「要診察」とかじゃないんですよ。いきなりごぼう抜きの「精密検査」。飛び級。問題なしだとAなんだけど、アルファベットがいきなりGになってた。Gって。おっぱいだったらめちゃめちゃ巨乳じゃん。

 

で、何が悪いって肝臓なんですよ。

沈黙の臓器って言われてることくらい知ってるよ。こえーよ。去年までこの項目Aだったじゃん。1年で何があったんだよ。って思い返すと思い当たること超あった。だって毎日酒飲んでんだもん。しかもストロングゼロ飲んでんだもん。Twitterで見てはいたんだよな、ストロングゼロでみんな体壊してるって。いやいや、それでも飲むのが俺たちのストロングゼロなんだ。現代プロレタリアートの到達点なんだとか言ってたら普通に肝臓壊してた。結果出してた。こんなとこだけ意識高くしてんじゃないよ。

 

そんなわけでここ10日間ほど酒を抜いている。

そしたらなんと、すこぶる調子がいい!

と思ったらそんなことはなくて、別に飲んでる頃と変わらない。なんだよ。関係なくない?

 

でも口さみしいので炭酸水飲んでます。

口当たりはストロングゼロみたいなもんだし、レモン風味の炭酸水なんかもう缶チューハイみたいなもんですよ。不思議なことにゆっくり飲むと酔ってくる感じさえあって、結局なんでもいいんじゃん俺、と言う感じであります。

 

■妻がトマトを育てている。

手芸が趣味で、最近では「たまり飴」という

みたらし団子みたいな味の飴を通販で購入しては夜な夜な舐めている妻である。

ここに加えて園芸まで始めたら、もう「ババア一丁上がり!」って感じでますます壮年層まっしぐら、という感じなのだが(口は悪いが私は妻を愛している。LOVE。口先だけ綺麗なことを言って隠れて不倫している全てのクソ男に死を。DEATH。)、家の中でじわじわ伸びてくる小さな命は見ていると興味深い。あまりの暑さに鉢をベランダに出したり家の中にひっこめたりしているのだ。

 

同じ方向を向いてばかりだと陽の光の報告に曲がってしまうということで、何時間かおきに鉢植えの向きをひっくり返してやる妻の姿に「母」を見た気がした。

 

そういえば自分の母親も、姉と俺が手がかからなくなったあたりから、徐々に植物を育て始めて、就職して家を出てしばらくぶりに実家に戻ったら「植物園か!」というくらい元々俺の部屋だったところが鉢植えに支配されていて、湿度が95%くらいになっていたことがあった。たぶんクローゼットの奥にラフレシアとか咲いてたと思う。

 

母親あるあるを石井明美「CHAーCHAーCHA」に乗せて早く言いたい。

 

「植物育てがち」

 

■「LIFE」というノートを買った。

買ったのはもう5年くらい前だ。高いノートだからもったいないな、まだ使わないでおこう。何書こうかな、適当なこと書きたくないな。

 

そんなこと思っているうちに5年である。

高いと言っても800円くらいのノートに俺はどれだけ気後れしてるんだ、と思わないことも無いが、どうも何か書こうと開くたびに

「でも、メモを取るならスマホでもできるし…」

とか考えてスマホにメモをしてしまう。

 

で、思うのは「ノートって適当なこと、どうでもいいことを書きつけるためのもの」なのに、LIFEのあまりの「完成され具合」に「きちんとした文章を書かなければならない」という圧を俺が勝手に感じている、ということなのだ。

 

いかにも後々誰かが手にとって読むための体裁然としているためにどうにこうにもぞんざいに扱えないのである。しっかりしていて隙がない、賢そうな後輩みたいな存在なのである。

メモ帳に使いたいのは、もっと隙だらけで愚痴を言っても大丈夫そうな感じで、身なりも多少みすぼらしい、そういう後輩みたいなノートなのである。実際にそんな後輩あったら飲みに行きたいとも思わないけど。

 

そんなわけで、これからも本棚でLIFEノートは、ノートなのに何も書かれないまま鎮座し続けそうな気がする。これがお前のLIFEだったんだよ、と俺は言ってやった。