もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

メロン風ゲロの匂い

■元を取るかのようにAmazonプライムで映画を見まくっている。

 

最近見たのは「ファイトクラブ

もっと早く見ればよかった。俺はこの映画でエドワード・ノートンという俳優を知ったのだが、髪が短く若いこの頃の彼は浅利陽介によく似ていて、見ている間中そのことばかりが気になってしまった。今にも「からだすこやか茶〜!」と絶叫しだすのではないかとヒヤヒヤした。それは嘘です盛りました。

 

■息子が蓋をきちんと閉めていなかったので、俺のリュックサックの中で盛大に三ツ矢サイダーが溢れていた。

公園でだるまさんが転んだをやっているときから何かおかしいな、というのは実はあった。

というのも、なんかメロンっぽいゲロのにおいが鼻先に香るなあ、と思っていたのだ。

てっきり息子の口臭だと思っていた。疑ってごめん。でも、それ以上にお前のせいで被害は甚大だ。

真っ先に確認したのはやはりスマホだ。これが水没してたらブログだって書けない。あとエロい動画サイトがこっそり見れなくなる。これはなんとしても避けなければならない。

周りのカバーは濡れていたものの、中のスマホは無事。それを確認してから今度は財布。こちらも若干周囲が濡れていたが、クレジットカードやお札は無事。よかった。次に万が一でいつも持ち歩いているメガネ。ケースは濡れているものの中身は無事。ふーよかった…と、タプタプと液体がたまっているリュックの底に沈む何かが見えた。恐る恐る手を差し込み、取り上げるとそこには、ぐったりとした革製のキーケースの姿があった。

「おい!お前、しっかりしろ!」

と思わず叫んで呼びかけてしまうほど、その姿はまさしく「ぐったり」という感じで、俺は初めて無機物が「死んだ」という逆転の構図を目にした。合掌。

慌てて子供達を連れて家に帰り、ないふり構わず洗剤で洗ってみたり、消臭剤をぶちまけてみたりもしたが、彼が息を吹き返すことは無かった。鼻先を近づけるとメロン風ゲロの匂いが強く香る。彼を持ち歩くことは今後厳しいだろう。

 

なんだかその一件で嫌になってしまい、午後はずっとベッドに横になって寝ていた。自分でもどうかしてると思ったが、どうすることもできなかった。なんだか気持ちが沈んでしまい、子供にも八つ当たりしてしまった。蓋が閉まっているかどうか、確認すべきだったのは俺だ。学生の頃からずっと使っていたキーケースだった。それは確かだが、こんなことはよくあるこだろう。子供が原因でものを壊されたり、怪我したり、俺たちそうやって親になってくんじゃねえか、なあそうだろう?叔父貴…なんて思っていたが、ダメだった。

ベッドに横になっている間にいつのまにか寝てしまい、ふと気がつくと窓の外から猛烈な雨音が聞こえてきた。子供の面倒は全て妻に押し付けて、俺は今日一日寝かせてもらった。どうにも起き上がる気力が出なかったのだ。

ついさっき起きてきた。子供たちに特に気にした様子はなかったが八つ当たりした手前、俺は気まずい。明日は息子を連れて剣道に行かなければならない。メンタルの弱い親父で悪かった。リュックもキーケースも死んで、ゲロみたいなメロンみたいな最悪のにおいになってしまったが、お前のせいじゃなかったよな。八つ当たりしてごめん。お前は子供の渡してきたジュースのペットボトルの蓋を確認できる大人になれよ。

 

■っていう文章をオアシスの「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を聴きながら書いたら、何か今日一日、本当に何一つ生産性のあることをしていないにも関わらず、何かを成し遂げたような気になったので、音楽ってすげえな。結論、音楽はすげえ。