もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

新人ちゃん

■「新人ちゃん」という言葉が死ぬほど嫌いで、この言い方をするやつも好きじゃない。

 


もちろんそれを言ってる人の意味合いや状況によるとも思うけど、あまりいい気分にはならない。この言葉が持つ、新人を軽んじるニュアンスに何か抵抗を感じてるんだとは思うんだけど、それ以上のことはわからない。

言葉一つに目くじら立ててたらキリがないよねって、ほんとその通りなんだけど、スルーできないで心の中に澱のように溜まっていくことがいくつも存在している。

学生の頃新宿のデパートで品出しのバイトを短期だがしたことがあり、その時妙齢の女性ベテランパートみたいな人に「この子、新人ちゃん。教えといて」と指導係的な役割になった男性に俺を引き渡した。その時の両者の間に漂う何とも言えない「めんどくせえなあ」という空気。ああいうものって若い頃、新人時代というのは余計に敏感に感じるものだし、いつまでも覚えていたりする。

 


で、後年自分が社会人になってからもこの思いってなくなることがなくて、特に今の会社は新卒で入って何にもわかりませんみたいあ時期に今考えてもこちらが恥ずかしくなるような意地悪まがいのことをされて仕事を覚えるのに無駄に遠回りをした記憶があるので、次の新人に同じ思いをさせまいと俺は自分でマニュアルを作って教育係になった時に過剰とも思えるくらいつきっきりで仕事を教えた。まあどっちもどっちなんだけど、ある意味俺はその時俺に仕事を教えなかった奴らへの復讐みたいな怒りもその原動力になっていたからほとんど自己満足みたいな感じでやっていたし、そいつが悪くもないのに見せしめみたいに怒られたときには抗議した。

 


そんな風に数年間同じ部署で一緒に仕事をした後輩が、昨年末で会社を辞めた。

家庭の事情もあり、地元に戻ることになったからだと言う。

自分なりに一生懸命仕事を教えたという思いもあったから少し残念ではあったけど、新しい出発を気持ちよく送り出してやりたいという気持ちで送別会をした。

 


飲み会終わりのLINEで、社会人として最初に入った会社で、あなたに仕事を教えてもらえてよかった、という内容が書かれていた。

泣かせるんじゃないよ、と軽い調子で返したけど、実際俺はちょっとだけ泣いた。ちょっとだけね。