もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

俺だって「ごめん、ぼうっとしてた」と言いたい。

ぼうっとしている人への憧れがずっとある。動じない人というのだろうか。本人がどう思っているか、どう感じているのか本当のところはわからないにしても、「あの話、聞いてた?」と確認すると「ぼんやりしていた」「聞いていなかった」「まあいいやと思ってた」などとあとから言える人たちだ。こういう人たちは概して常に眠そうであり、場合によっては本当に寝たりする。焦らないし、怒らない。俺は心配性で小心者なので常に緊張状態で日々を過ごしており、人の話を聞いていない、ということは怖くて出来ないし、まして聞いているふりをしいてぼんやりしているなどという器用な芸当は不可能だ。そんなことをするくらいなら初めから話を聞かないようにする。病院に行かなければいけないんです、と嘘をついてでもその場を離れる。どちらの方がより誠実であるかもはやわからない。高校で授業中に当てられているのに答えている途中で急に黙ったと思ったら寝ていた、という女の子がいて今から思うと相当な萌えポイントなのだが当時の生真面目な俺は「寝るなら家に帰ってから寝てろッ」と本気で憤っていた。可哀相。カアイソウ。コンナコトヲシタノハトミダノ股ワレダトオモイマス。常に考えなくてもいいことまで考えてしまうので何も考えないでぼんやりしていたい。ぼんやりしていても焦らない度量の大きさが欲しい、という方が正確かも知れない。ということをぼんやり考えられたらいいのだが、正直ゴリゴリに悩んで考えて書いた。