もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

父と娘

カップルみたいに仲良く歩く父親と娘が俺の前を歩いていた。父親はスーツを着た40代くらいの普通のサラリーマン風の中年男性で、娘はパーカーを着た中学生くらいの女の子だ。二人は手を繋いでいて、娘の方が父親にくっついて次から次へと今日あった出来事を話している。「あのね、それでね」と何が起きたか話したくて、聞いて欲しくて仕方ないと言った感じで、むしろ父親の方が少し引いてるくらいの勢いだった。きちんと子供を育てていくと、こんな未来もあるのだなと思った。もちろんそれぞれの性格や家庭環境やその他複雑に重なるいくつもの要因の結果なのだけど、俺はその二人の様子を見て何故だか泣きそうになってしまった。その涙が何の為のものかわからないけど、とにかくその二人の姿は何者にも侵し難い、神聖なものにすら見えた。