もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

ジム

2月末から自主的にジムに行かないようにした。それ以来定期的に行っていた運動の機会を失い、ただでさえ太りやすいのに、ここ最近の外出自粛やテレワークの増加で完全にダメ押しされ、体重がみるみる増えた。夕方過ぎ、妻に時間をもらい土手沿いを小一時間散歩してみたりもしたが、どうにも性に合わなくて数回でやめてしまった。やっぱり実際の外に出ると車は走ってるし最近は同じことを考える人が多いのか、びっくりするくらい河川敷に人がいる。皆ばっちりスポーツウェアに身を包んで走り回っているし、正式名称もわからないがなんか競輪選手みたいな格好して早そうな自転車に乗った人々がビュンビュン飛ばしていて非常に危ない。夜な夜なネットを見ながらたどり着いた答えは「家にジムをつくる」ということだった。俺はジムに行っている、と言ってもストレッチと最低限の筋トレマシン、それと有酸素運用のための自転車こぐみたいな機械と、でっかいステッパーみたいのくらいしか使っていなかったので、要はそれらと同じような運動負荷が得られればいいのである。ちょうどタイミングを同じくしてジムからは臨時休業のおしらせがメールで来たので、速攻で電話で休会を申し込むとともに、通販でステッパーと腹筋ローラーを買った。もっと時間がかかるかな、と思ったら腹筋ローラーは翌日に、ステッパーは翌々日に到着した。この状況でも仕事を続けてくれている配送業者の皆様には頭が下がるばかりだが、やはり外出をしない人が増えると通販の利用率もあがるためか、ステッパーを届けてくれた某社の配送員の方はかなり精神的に追い詰められている様子だった。というのも、チャイムが鳴ってすぐにドアを開けた僕に対し、開口一番「ああよかった。この箱、宅配ボックス入らないですよねえ(我が家には宅配ボックスが設置してあり「不在の場合はご利用ください」というステッカーをインターホンの横に貼っている)これ、重いんですよ。持って帰らなきゃいけないから…」と何も聞いていないのに言い始めたのである。俺はやや面食らったものの、すぐにハンコを押してステッパーを受け取った。実際ステッパーは10kg以上あり、重いのだが、俺は特に宅配ボックスへの配送を指定したわけでも、再配達を依頼したわけでもない。まして、チャイム一回でドアを開けたのにも関わらず、なんであんなことを言われたのだろう、とややもやもやした。そんなことを気にしてしまうのはここ最近外にも出れず、運動も出来ていないからだ!と言い聞かせ、ステッパーをセットする。子供達には「これはおもちゃじゃないからね。ちょっとアッチ行っててね」と言い、ジムに行く時のウェアに着替え、きちんとジム内で履いていた運動靴も履く。スポーツドリンクも用意し、テレビの正面にセットしたステッパーに乗る。そして、アマゾンプライムでずっと見たかった内村さまぁ〜ずを見ながら、恐る恐るステッパーを踏み込んだ。最初は多少硬かったものの、徐々にシリンダー内のオイルが温まると滑りが良くなるのか、滑らかに踏み込めるようになる。およそ1時間、そうやってステッパーを踏んでいると意外と汗をかく。息が軽くあがったところでステッパーを降り、今度はフローリングにヨガマットを強いて、その上で腹筋ローラーを転がす。とはいえ、初心者なので、距離は短く取り、怪我をしないようローラーが壁に当たるようにして行う。無理はしない。ユーチューブでいくつかやり方を見て、一番簡単そうなやり方を参考にした。それでも10回を3セットやるだけで腹筋が引きつるように痛い。完全につってしまうと大変なことになるので、痙攣しそうになる手前で止める。最後に簡単なストレッチをして、おわり。自己流なので正しくはないだろうが、自分なりに「今まで自分がジムに求めていたもの」がこれでほぼできる環境になった。購入したものの金額はジムのおよそ二ヶ月分だが、休会した分ジムの費用は浮いているので、差し引きゼロくらいだと思う。実際、二ヶ月以上はジムに行けないか、行きたくないし。ジムに行けない、というストレスをジムに使っていたお金を別のものに使って解消出来た、という話。この程度の運動で満足できる人間でよかった。もっとジムに入れ込んで体を鍛えている人は、今回の自粛でストレス相当あるのではないかと思う。健康でありたい。