親
俺は親になれば自分が何者かになれると思っていた。
はっきり言って、そうだと思う。
無理矢理親を演じ続けて、
病気になって演技も出来なくなって、
子供の前でも親ができなくなってしまった。
抑え込んでいたものがいっきにあふれ出し、
今はいつ栓をするか、蓋を閉じるか、自分でもわからない。
舐めていたんだと思う。
親になることも、子供を育てることも。
よい父親のふりをすることで、世間に自分が、立派な社会人、夫、父親であるとアピールして一人前の扱いをされたかっただけだ。
そんな男の自己満足に、俺の家族は付き合わされているのかと思うと本当に気が滅入る。
こんなもの、暴力自体は存在しなくても、最大級の侮辱であり虐待ではないか。