もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

子供なんか持つ金ねえよ

そうだよな、本当そうだよと思う。

 

頭の良い人、先が考えられる人ほど

子供を持つことの怖さと無謀さばかり見えて

とても今ある自分の人生を子育てという数十年がかりの一大プロジェクトに取り組む気になんてならないだろう。

 

自分が食うだけで精一杯なのか、

自分の遊ぶ金失ってまで子供作ることにメリット感じないなのか、度合いや程度に差はあれど、独身の人の気持ちはよくわかる。

時間も金も体力も精神も、すべて捧げてそれでも足りない。だってそういうものだもの。

 

頑張らなくていいんだよ。

的な風潮、論調もあるだろう。

そんな、介護じゃ無いんだから。

いや、介護だよ。

子育てって介護と似てるよ。ほとんどイコール。子育て終わる頃に今度は親の介護、本当自分の人生は人のお世話で終わるのかってよくある話。

昔学生の時女性の労働力は生涯で子育てと介護で2回時間取られるからM字型のカーブを描いている、って話聞かされて普通にふーんと思ってたほんの20年前の自分。

いや気づけよ、その地獄みたいなカーブの異常さに。なんで子育てと介護の2大イベント女だけのものになってんだよ。

 

俺は何も考えてなかった。本気でどうにかなるだろうと思っていた。どうにもならなかった。

 

共働き世帯が専業主婦世帯の倍以上になったと聞いた。

夫婦が二人で働いて、それで家計を支えていくのが当たり前。

だけど夫婦間での家事と育児のバランス、性差による社会的な位置づけは歪なまま。

日本人が大好きな個々人の努力、忍耐、知恵と工夫で乗り切れと言わんばかりに子育て世帯は苦行の日々。自助。この国は実に美しい。美しい自己犠牲によって成立しているように見えている。

 

結婚しないの?

子供つくんないの?

 

そんなわかりやすいクソ発言をするゴミは目に見えるところからは消えた、ように見える。恐らく見えなくなっただけだけど。

既婚者、子持ちから独身へのそうした発言は一時期の苛烈なバッシングもあり消えたけど、一方で独身者が心の底からきっと思っている、悪気など一切ないのであろう「子供なんか持つ金ねえよ」「子供なんか絶対無理だわ」という発言とそれに賛同、共感する声に、そうした風潮に、怯え、疲弊してしまう俺がいる。

 

自分がよければいいだろ。

子供がいてほしいと思ったから、家族が欲しいと思ったから子供を作ったんだろ。

俺と妻の、俺たち夫婦のエゴだよ。それでいいじゃねえかよ。両親に強制された訳でも無い。

子供持つことにメリットとかデメリットとか考えんなよ。子供を作ったのは将来稼ぎのいい人間になって自分を楽させてほしかったからなのか?自分の老後の面倒を見させるためなのか?

違うだろ?自分の子供を何だと思ってんだよ。お前の子供であって、お前とは他人のひとりの人格じゃねえかよ。

小難しいこと考えんなよ、馬鹿なんだから。

 

俺の中でそう言う声がする。

わかっていても、日々の生活の中で俺の思考は何度もいったりきたりを繰り返す。