もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

結婚式

会社の後輩の結婚式に出席した。

ここ最近は身近な人の結婚が一通り済んでいたのであまり呼ばれる機会もなく
久しぶり、という感じだったのだが、出席してみて自分で驚いたことがある。

なんと、泣いてしまったのだ。

しかも、直接親交のある新郎に何かを感じて、ということではなく、
今日初めて会った新婦と、そのお父さんに、である。


式から参加していたのだが、教会の後方の扉が開いて新婦がお父さんと一緒に現れると同時に
頭の中に自分の娘の姿が浮かび、そうしたらあとはもう次から次へと目の前を歩く新婦と父親
自分と娘に重なっていき、勝手に新婦の父として歩く自分を妄想し始め、目の前の新郎新婦そっちのけで泣いてしまった。
申し訳ない。

ただ、今まで知り合いの結婚式に出てこうした思いをすることはなかったので、
やはり娘が産まれたことによって出てきた感情なのだろう、と思う。

正直なところ、私は娘が結婚する、ということになったらむしろ一緒に喜んであげられる父親だ、と思っていた。
自分の娘が選んだ人なのだから、安心して送り出そう、と思えるようになりたい、と思っていた。

それが、である。
初めて会った会社の後輩の奥さんとその父親、という100%他人同士の組み合わせを見ても瞬間的に自分と娘を重ねて泣いてしまう体たらく。
これはマズイ。泣くぞ、きっと。

バージンロード、
教会の扉が開くと、そこには号泣する私。
娘よりも目立つ、泣きじゃくるジジイ。
新婦の前に来ても新郎に新婦の手を受け渡すよう言われても泣きながら拒否するジジイ。
いやすぎる。最悪の展開だ。
「やっぱりダメだ!!」
とか叫び出しそうである。

それにしても、今までいくつもの結婚式に出てきたが、さすがにその段階になって泣いているお父さん、というのはあまり見ない。
今日の新婦のお父さんなんか、達観しすぎているのかわからないが、眠そうだった。
でも、世の中のお父さん、きっと泣いてると思うなー。
泣きますよ、だって。

ちょっとのろけていいですか。娘のことなんですけど。
3歳って一番可愛いよ、みたいな話あるじゃないですか。
私は昔「30代は楽しいぞ」っていう話を鵜呑みにしてたら30になってもさらに辛くなるばっかりで全然楽しくない、ということに気がついて以来
「○歳が一番いい」という世代の評価は一切信じまい、と思ってたんですけど、やっぱりね、3歳って可愛いなと思います。

娘が最近牛乳ばっかり飲むので
「またおしっこしたくなるよー」
と言っていたら
「いっぱい飲んで早く大きくなりたいの」
と言うので、「大きくなったら何するの?」と聞くと
「うんとー、パパの為に料理もしなくちゃいけないしー」
とか言い出すわけ。ほら、可愛い。
いや、もちろん特に深い考えもなく言っただけの言葉であることはわかりますけど、やっぱりそういうの聞いちゃうとパパってチョロいじゃないですか。

本当に大きくなって、大人になって、結婚するって言って、家を出て行って
もうすぐ結婚式の日、ってなったときね。
これもうパパあるあるだと思いますけど、全国のお父さん2000%アルバム見返して昔とったビデオ引っ張り出してずっと見てると思いますよ。
泣きながら。

「このとき具合悪くて熱出してたんだよなー」
「あ、このあと転んだっけ。よく転んでたよな」
「パパと結婚する、って言ってたのになあ、ははは…は…」

ここでこらえきれずに両手で目を押さえているはずです。

だから全国の結婚式当日の新婦のお父さんの目、ちょっとだけ腫れてませんか?
眠そうに見える目、それは本当に眠そうなのか?果たして…?

というわけで、私はこれから娘の産まれた日からの写真をもう一度見返します。
娘、今3歳ですけど。