もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

ボス

アマゾンプライムに入ったので、海外ドラマ、主にアメリカのドラマだけど、たくさん見るようになった。

ストーリー自体面白いのだけど、異国ならではの文化の違いとか慣習なども面白く、興味深く見るようになった。
だいぶ最近ではあるあるネタになってきたことだけど、
「登場人物が中華料理をテイクアウトして食べる時に使っている謎の四角い箱」
とかも、本当によく見る。
だいたいプラスチックのスプーンで何かをかきこんでいるが、それがなんなのかはストーリーに重要ではないので語られない。多分チャーハンなんだろうけど、もしかしたらエビチリかもしれないし、酢豚のかかったご飯かもしれないし、すすっているシーンもあったような気がするので、ヌードルとか汁物もいけるのかもしれない。


そんな中、僕がかっこいいな、と思ったのは上司のことを「ボス」と呼ぶことである。

日本で言えば「課長」とか呼びかけてるのと同じなんだろうけど、やっぱり上司に「ボス」と呼びかけているのはかっこいい。
上司と部下、というよりボスとその部下、という関係性の方が、より職場での人間関係が端的に表わされているように感じた。

余談だがうちの会社では上長を役職で呼ぶ習慣がないので偉い人もみんな「○○さん」呼びである。
取引先には時々驚かれることもあるが、僕としては「課長」とか「専務」とか呼びかけあってる会社の人の方が「会社っぽいなー」と思っている。

とはいえ、アメリカでは部下がボスに取る態度というのがだいぶ日本と違うんだな、というのもなんと無くわかってきた。

僕が一番驚いたのはボスの方が部下に話しかけてきても、部下は座ったままボスと会話を取るのが普通に描かれているという点。

おまけにたいていの場合足を組んだままである。
日本のドラマでこのシーンを描こうとすると、違和感が出るだろう。日本の会社員が上司に服従している、ということではない。
この辺は文化とかの違いな気がする。目上の人に話しかけられると自然と組んでいた足は戻すだろうし、人によっては立ち上がる、という仕草を描くと思う。

ボスの個室とかに呼ばれて話をする場合も椅子に深々と腰掛けて足を組んだまま。
ボスの方も特に気にしていない。ボスも足を組んでいるからだ。

しかも、「以上だ」とボスが言うとびっくりするくらいさっさとみんな退散、解散する。
話が終わりならもうその場にいる意味はない、とバッといなくなる。これも見ていてかっこよかった。日本の会議は集まる時も終わる時もとかくだらだらしがちである。

あと、とにかく結構机に腰掛ける。
背が高いからなのか、アメリカの机が低いのかわからないが同僚同士で「ヘイ」とか言いながらいきなりデスクの上にひょいっと半身を預けてフランクにトークし始めるのである。
日本だったら気心の知れた同僚同士でもいきなり仕事中にデスクの上にケツを乗っけられたら「降りろよ」と言われそうなものである。
これもアメリカ人だからサマになっている気はする。そもそも自分の会社を思い返してみると、乗っかれるほど机の上が広くない。そして僕もワンアクションで机に腰掛けられるほど脚は長くない。

男性は女性に対して基本的にすぐ好意を伝えてひょいひょい食事に誘ってしまうし、なんならそうすることが礼儀みたいな雰囲気も感じる。ドラマだからなのか?アメリカにも日本でいうところの「奥手」な男性は存在しているのだろうか。アメリカ、おおいに結構である。

とにかく、僕の中の「アメリカ」は今の所100%アマゾンプライムで見られるアメリカのドラマの知識だけで完璧に構築されつつある。
そろそろ僕も会社のデスクの上に家族の写真と小さな星条旗を置いて、足を組みつつ上司のことを「ヘイ、ボス」と呼びかけるところから始めてみたいと思う。