もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

頭ぽんぽん

昔何かで20歳を過ぎると脳細胞が日々死んでいくのだという話を聞いた。

20歳からもうすぐ13年経ってしまうわけなんだが、ああまあ確かに死んでるなと感じるくらい頭は鈍い。
会議や打ち合わせが長引いてデスクに戻ると30分くらい平気でぼんやりしている。
何もしていないのに、それこそ机の引き出しを開けたり閉じたり、手帳を開いたり閉じたり、必要のないメールの削除をしているだけで余裕で30分経過している。
次の作業に取り掛かるまで、それくらいのアイドルタイムが必要なくらいに体力が長続きしないということである。

体力も落ちてきていて、最近特によく感じるのが通勤だ。
僕の最寄駅は始発の電車があるので基本的には朝座っていけるのだが、ここ最近朝はほぼ100%寝ている。
ちょっと前までこの時間を使って本を読んでいたので、結構な冊数をこなせていたのだが、行き帰りの電車の中で本を読む体力を失ってからというものちっとも読書が進んでいない。今カバンに入れっぱなしにしているのはなんと去年の年末に買った小説である。もう3ヶ月一冊の文庫本にかかってしまっているのだ。前半に関して言うと読み返さないと忘れているところもある気がする。

会社から帰ってきても食事をしたあとはソファに横になって起き上がれない。
横になって何をしているのかといえば、息子のためにダウンロードした
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ炎のかすかべランナー」
という横スクロール系のゲームアプリである。不毛、という単語が頭をよぎる。ただ、おかげさまでだいぶレベルは上がった。無課金な割には頑張っている方である。
這い上がるようにむっくりと起きて風呂に入って寝る。
これが生活である。日常である。

愛すべきものだと思っているし、なんだかんだ言いつつ僕はこうした毎日が好きなんだけど、このままだと自分の身体の内側にあるものを少しづつすり減らしている感覚もあったので、もう少し自分で自分をコントロールしないといけないな、と思うようになった。

そこで、これじゃいけない、とまた最近ブログを書き始めた。
文章を書くと少し頭が整理出来たり、あとで読み返すと自分がこんなこと考えてたんだ、とか、そんな風に思ってたっけ?と驚くこともあって面白い。
ブログを書く、という目的のためになんとかソファから起き上がれるようにもなった。なんだかリハビリのようだ。

毎日の生活はどうしようもなく同じように続いていて、面白いことも何もなかったりするんだけど、積み重ねられるそれぞれが後で考えると貴重だったんだなということの連続なので、少しでも残しておきたいなと思う。

例えば今日夕飯時に妻と話をしていたら、幼稚園に息子を迎えに行った時の娘の様子を聞けた。
駐輪場で娘が年長さんと思しき男の子に頭をぽんぽんされた上で、ばいばいという感じに手を振られたとのこと。男の子はそのまま去っていったらしく、その自然な扱いに娘は妻に対して「おにいさん、かっこよかったねえ〜」と興奮していたとのこと。
「あたしもちょっときゅんとなっちゃった」
となぜか妻まで少し心動かされていたが、父としては女性の扱いにいかにも慣れたその年上の男の子になんとも複雑な心境である。

という風に、なんでもない毎日に覚えておきたいことが起きたりするから、死にゆく脳細胞を頑張って少しでも生かしておきたいと思うのである。