もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

散歩

1時間くらい散歩をした。年齢を重ねてみると、生まれ育ったこの街がとても寂しく、小さく映った。国道沿いにやけに幅の広い歩道が広がり、小さな鉄工所や塗装工場が点在し、それ以外には東京だというのにやたらと駐車場の広いチェーンの牛丼屋や弁当屋のロードサイド店やコンビニがぽつんぽつんと並ぶのみ。JRの駅を続く道を折れると背の低い戸建ての住宅が続き、やがて街で唯一の商店街が見えてくる。個人商店はほとんどがシャッターを閉じ、昔から続いているのは居酒屋かパチンコ屋くらいで、あとはチェーン店に全て入れ替わってしまっている。行き交う人の大半は日本人ではなくなり、すれ違いざまに聞こえる言葉だけを聞いていると自分が異国に紛れ込んでしまったようだ。年寄りと猫ばかりだった商店街はもうここにはない。あるいはそんなもの、最初から俺の頭の中にしかなかったのかもしれない。