もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

さかあがり

陽が長くなってきたので娘と夕方18時過ぎに近所の公園に行ってみた。がらんとした公園で娘は普段は小学生に占領されて思うように遊べない遊具で思う存分遊ぶことができた様子だったので、非常に助かった。砂場にはジャージ姿の高校生くらいの男子二人がおり、彼等は実に真面目に砂遊びをしていた。ぽつぽつと二人で会話を交わしながらシャベルを使って砂を掘り返したり積み上げたりと、真面目に砂遊びをしているのである。彼等の中にまだほんの少しある少年性みたいなものがそうさせていたのかもしれない。娘が鉄棒をやりたいと言い出し、俺は逆上がりの練習でもするか、と言った。何度やっても足が上がらないので、腰を抑えて持ち上げるようにしてやると身体がくるりと反転できるようになった。もう一度、と繰り返す娘を何度も持ち上げる。娘の身体がくるりと回る。顔にぽつりと雨粒が落ち、帰ろうと俺は言う。 不満顔の娘を抱き上げる。俺はこういう瞬間をいつか忘れてしまう。