もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

どのツラ下げて生きてんだよ

子供二人を乗せて車で出かけたが目的地がわからず、古いナビでは道なき道を行くしかなかった。結果的にナビ上20分程度で着くはずだった場所に1時間半走り回っても辿り着けず俺は大声を出し続けて「何で俺は駄目なんだ」と怒鳴りまくった。子供もいる前で俺は時々こういうことをしてしまう。歯止めが聞かずこうしてしまうことで子供が怯えてどんな影響が出るかそれを考えれば自制すべきなのも理解していても抑えつけることが出来ずに次から次へと罵詈雑言が口から飛び出していく。小学生になり助手席に初めて座った息子は「もういいよ、もう帰ろう。大丈夫だよ」と小さな声で俺に語りかけるのが聞こえる。何をしてるんだ俺はこれじゃ字児童虐待と変わらないじゃないかテレビで報道されていた捕まったあの両親たちと何が違うんだこんな風に子供の心を痛めつけて何が父親だ何が。後ろを振り返ると娘が泣いている。俺は何度も急停車を繰り返して何とか家に辿り着いた。家に着いてからも何もする気がせずにそのままベッドに倒れ込んで眠った。妻には息子がなんとなく伝えた内容で妻は察したようだった。俺は以前からこのような状態になることを知っているからだろう。そのまま3時間ほど寝た。目が覚めても窓の外は相変わらず雨の音で部屋全体が薄暗くスマホの画面を見ても何一つ俺の状況は変わっていなかったのでまた目を閉じた。17時過ぎに息子が来て俺の体を遠慮がちに揺さぶり「ごはん出来たって。食べれそうなら食べて」と言ってダイニングに戻っていった。食卓に行くと俺以外の3人が食事を取ろうとしているところだった。椅子に座りもそもそと飯を食い始める。娘の方を見づらかったが「今日はごめん」と謝ると「いいよ。大丈夫だよ」と言ってくれる。脚本家の市川森一が「犬を見てかわいいなとも思うが、気分が悪い時は蹴っ飛ばしたりもする。そういう人間です」みたいな話をしていて最初にそのインタビューを読んだ時にひどい奴だななんて思ったがなんのことはなくて結局俺もそうだし気分次第で簡単に人を、それも自分の子供でも傷つけてしまう人間はいるのだ。反省しても謝罪しても一度やったことは変わらない。俺の中の本性は変わらない。