かみしばい
やはり疲れているのだと思う。
体もそうだが、心が。
6歳になった娘は、勉強がきらいだが
ようやくひらがなが書けるようになった。
そんな娘が何かを書いていて
いつものようにソファに横になったスマホをただ眺めている俺のもとへきて
「かみしばい」
と言う。
みると表紙に「さやかのかみしばい」と書いてある。
1枚目「あるひ くまさんとうさぎさんが おでかけしました。
はれていました」
2枚目「あめがふってきました。くまさんとうさぎさんはかさをさしました」
「おしまい」
娘が舌足らずの口調でそんな内容を読み終わると、思わず泣きそうになってしまう自分がいた。
俺はそのとき、何に泣きそうになっていたのだろう。
涙の原因が自分でもよくわからない。