もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

目と耳

金原ひとみの「軽薄」を通勤中の総武線の中で読んでると3行ごとにセックスという単語が出て来るので俺の後ろに立ってた女子高生に覗き込まれたら俺が何かの罪で警察に突き出されるんじゃないかと怯えながら過ごした月曜日がもうすぐで終わろうとしている。読書しながら聞く音楽ってのはやっぱりインストの方が相性がいいんだろうか。一時期自分なりに色々試行錯誤して結局日本人の小説読むときは邦楽でかつ目が文字を追うことを邪魔しない(俺にとって)楽曲群を選抜してipodに「小説」というプレイリストを作ってそれを頭から再生して小説を読みながら通勤していた。物語の起伏とセットリストがリンクすると興奮する。映画を見ている感覚に近く、視覚情報から自分の脳内で映写される情景と音楽が衝突して昇華していく様は楽しい。最寄駅を出て家に向かう途中銀行の前で黒人の女が俯いて立っている。韓国語を話しながら過ぎ去るカップルの男の傘が鞄に当たる。中華料理屋から出てきた中年の女は携帯に出ると日本語で話し始める。コンビニの中は店員も客も中国人だった。目の前の情景に合わせてipodをいじる。