もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

デスク

会社のデスクにシルバニアファミリーの猫の赤ちゃんを2匹、それと川崎の藤子F不二雄ミュージアムで買ったチンプイのぬいぐるみを置いてみた。かわいいものに囲まれて仕事をすることでかろうじて精神を保っている。30半ばの男がシルバニアファミリーチンプイを置いても恐ろしいだけのため、周囲の人間も特に触れてこないが、唯一俺に心を開いてくれていると俺は信じている妙齢の先輩女性は「かわいいの置いてんじゃん」とボソッと言ってくれたので嬉しかった。言わないだけでみんなデスクの上は小さな自分独自に世界を作り上げているというか箱庭化している人も結構多くて、俺の隣の席に座っている上司の机の上にはジャイアンスネ夫のデカめの人形とスターウォーズベアブリックという「いかにもっすね!」というフィギュアがさりげなく置かれているのだが、今回シルバニアに初めて上司が触れて来た時に「そういうあなたも置いてますよね」と触れてやると「俺はドラえもんに一切興味がないが、誕生日に同期がくれたから捨てるに捨てられず家に持って帰るのも憚られ行き場を失ってここにあるのだ」と教えてくれた。そうなの?しかも「スターウォーズにも一切興味はないのだが、なんかかっこいいと思って買った。映画もこの間初めて見たが、ついていけていない」という。あんたの意思、どこにあるの?と思ったが「あはは」と俺は笑った。俺の背後に座る女性社員の机は既にビレッジバンガードのようになっており、おもちゃの中にパソコンが紛れ込んでいるので、俺が今更チンプイだのシルバニアだので対抗したところでなんとも思わないかも知れないが、俺が日常に持ち込んだこの愛が、俺の心を慰めてくれることを願ってやまない。