もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

健康第一

自分の体のことは知っているようで知らない。
当たり前のことだけど、ここ数年はそんなことの連続だ。


例えば、数年前から私はよく冬場になると突然咳が止まらなくなるようになった。
日中、就寝時は問わず、いったん始まるとせいぜい5分程度ではあるのだが、呼吸が一時的に出来なくなるほど激しく咳き込む。
その時は本当に苦しくて、肺炎にでもなったのか、あるいは最悪肺がんの可能性も、などと思いつめ、病院に行くが
とくに風邪でもなく、呼吸器系も問題ない、という診断。効くのか聞かないのかわからないような薬をプラシーボ的にもらい、
飲み続けるもあまりよくならない。
風邪でもないのに、あまり咳き込むと周りの人も不快だろうとマスクをするようにする。
仕事中も、電車に乗っている時も、いつそれが始まるかわからない。
突然スイッチが入ると、あとは波が引くまでひたすら咳をし続けて、おさまるのを待つしかない。

ところが私はこの症状をずいぶん長い間軽視していた。
つまり、寒くなる季節の変わり目に風邪をひきかけていることにより起こるものだと思い込み、毎年勝手に忘れていたのである。
ようやく最近「そういえば、俺、必ずこの時期になるとやたらと咳してるなー」などとのんきに考えるようになったのだ。
というのも、結局その症状が大きな病気にその後つながることもなく、冬場を過ぎるとぴたりと症状がおさまるため、私も深く考えた事がなかったからだ。

ところが、昨年、あまりにひどい症状に職場の近くのクリニックから少し大きめの病院に行き、診察してもらったところ、
軽い喘息持ちなのでは、という診断が出た。
幼い頃から特に喘息と言われた事もなかったため驚いたが、後天的に年を取ってから喘息になる人もいるのだ、と聞いて驚いた。
喘息に季節性があるのかわからないが、秋から冬にかけての期間限定、まるでメルティキッスのように発生する私の症状はそろそろ始まるはずで、今から気が重い。

そして、これも最近わかったことなのだが、少し前から肩が上がらなくなった。
四十肩だと思っていたら今度は首が前に倒すだけで痛みを感じるようになった。後ろに倒しても痛いのだ。
整形外科でレントゲンを撮ったらストレートネックによるものだ、と言われた。
ストレートネックと言うと背筋がぴーんと伸びている人なのかと思いきや、猫背や姿勢の悪さとは関係ないらしい。

またある時には急に視界がブラックアウトし、目の前に光の点滅のようなものが浮かび上がって、その光の残像が消えなくなった。
それと同時に後頭部を後ろに引っ張られるような感覚に陥り、一時的にパニックになった。
脳の障害が起きたか、失明をしてしまうのではないかと思ったのだ。私は生まれつき視野欠損しており、左目の半分近くが見えていない。
経過観察をしているが、将来的に視野が狭くなる可能性もなくはないと言われているだけに、本気で焦った。

眼科か脳外科か迷った挙句に脳外科に行くと精密検査をするように言われ、調べてみた結果脳に異常はなく、偏頭痛の人の特徴的な症状だ、と言われた。
自分が偏頭痛持ちだと感じた事はなかったので、これも驚いた。

また、ある時。これは少し古い話で私がまだ大学時代の話だが、ゼミの合宿所で飲み会中に呼吸困難になり、救急車に運ばれてしまったときがあった。
急性アルコール中毒かと思いきや、ストレスによる過呼吸、というのが医者の診断で
「今後パニックに陥ったら、ビニール袋をかぶってください」
と言われた。現在にいたるまで、その後私がビニール袋をかぶった事はない。過呼吸に変わる形で、ストレスが現れているようだ。

今年になってからは舌のしびれだった。
辛いものやしょっぱいものを食べると舌がしびれて痛み、食べられなくなった。
鏡を見てみると、舌の周囲がぎざぎざに変形している。ネットで調べるとストレスで歯を食い縛る人がよくなる症状と書かれていた。
それと同時に喉にひっかかりを覚えるようになり、何を食べてもうまくのみこめない気がしていた。
夜寝ていると息ぐるしく、耳鼻科に行って見てもらうと、「蓄膿症ですね」と言われた。
内視鏡でも見た方がいいと言われ検査してもらうが喉の異常はなく、出された漢方薬をネットで調べたら
「ストレスで喉周りの筋肉に違和感を覚える人の不安感を和らげる」という役割が書いてあった。
ストレスや緊張によって、喉を無意識に閉めてしまう、ということがあるようで、それが続くとこうした息苦しさになるようだった。
漢方を飲み続けることで、症状は緩和されていった。

どれも、自分では気がついていない、わからないことばかりで、お前はどんだけ繊細だよ、と言いたくなることも多いが、
どの出来事もそれ以降健康を意識するようになっていった出来事で、現に運動を習慣づけるようジムに行き始めたり、
直接健康と関連しているわけではないけど、家族の事も考えて医療保険の見直しをしたりした。
どれも大病にはつながっていないことが救いだけど、自分の一生の中で病院に行っている時間って、ランキングで結構上位かもしれないな、とか思うと少しへこんだ。