もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

何者でもないし

中学生の時に父親と「12人の怒れる男」の舞台を見に行った。青年座だったと思う。帰りにドトールによってジャーマンドッグを食ったと思う。そういうことを急激に思い出したりする。それを俺はマック・デマルコのchamber of reflectionを聴きながら思い出した。繋がりはどこにもない。父親は芝居に興味のない人間だったが洋画が好きで家にアホのように洋画のパンフレットが段ボールいっぱいに詰まっていたのを覚えている。映画を見たらパンフレットを買う、というのが当然でそうしない選択肢はない。そう考える世代で、そう考える人間だった。買った後読み返すと言うことも特になさそうだったので、段ボールの中でただすえたにおいを放つそのパンフレット等を俺は小学生の頃によく読んだ。「エクソシスト」とか「サスペリア」とか「時計仕掛けのオレンジ」とかがあったと思う。子供心に「なんかやべえ映画なんだろうな」と思いながら見ていた。いつか俺が溜め込んだ小説を息子か娘が引っ張り出して勝手に読んだりするのだろうか。しない可能性の方が高いが、俺はそうしてほしいと思っている。してくれたら嬉しいな、が率直な感想だ。むしろやってくれ。やれ。そして俺と一緒に渋谷かどこかの単館上映の映画を見に行こう。下北沢の売れなさそうな劇団を見に行こう。吉祥寺か何かのライブハウスで承認欲求に塗れた若者のライブを見よう。神保町で古本を買おう。あとで恥ずかしくなる文章を書いてネットに載せよう。ギターを弾いて曲を作ってyoutubeに上げよう。