楽しい演技
前の部署で仲良くしていた人たちと飲みにいく。
楽しい。とにかく楽しい。
そうだ、俺はこんな風に人と話して笑っていた、と思い出す。
俺はこういう風に人間として暮らしていたんだ、と思い出す感覚。
いかにここ最近の自分が人生を無駄にしているか、死んだように生きているかを思い知る。
ここ最近の死んだように生きている俺のことをどれだけ知っているのかわからないが、ある程度伝わって入るだろうに全く触れずに、ここ二年のブランクなどなかったかのように接してくれる。
あまりに笑っていて、そのうち俺は昔の俺の演技をしている気分になった。
楽しそうにしている、楽しそうにすることができる人間の演技、俺は今でも楽しそうにできるんだと思い込もうとしているのではないか。
ずっと笑っていたけど、楽しくて笑っているのか、俺は今でも笑えるんだと皆に見せたいだけなのか、酔った頭で俺はずっと考えていた。